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東京マラソン2020 車いすマラソン招待選手、エリート選手発表

2020年1月21日

本日、海外・国内の車いすマラソン招待選手、エリート出場選手を発表しました。

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東京マラソン2020車いすエリートレース展望

 今年は4年に1度のオリンピック・パラリンピックイヤーですが、東京マラソンは2020年に開催されるAbbottWMM大会の初戦です。特にパラリンピックのマラソン(9月6日開催)コースはこの東京マラソンと一部重なることもあり、選手にとっては前哨戦ともいえますし、観客の皆さんにも、ぜひ注目して楽しんでいただきたいと思っています。
 そこで今年は、車いすレースについて「高速化を期待した、3つの仕掛け」を設定しました。東京マラソンは2017大会から新コースになり「高速レース化が進んだ」と言われ、実際、エリートマラソンでは記録が更新されています。しかし、車いすレースでは記録が伸びていないのが現状です。
 東京マラソンのコースは全体的にフラットなので仕掛けどころが見当たらず、集団のままレースが展開され、残り1㎞から石畳がつづく丸の内仲通りとフィニッシュ前200mのスプリント勝負となることが多いです。そうした駆け引きが必要なレース展開も記録向上につながりにくいのかもしれません。とはいえ、レースディレクターの私としては、「タイムが出る」ことを東京マラソンの特徴にしていきたいと思っています。

 「3つの仕掛け」の1つ目は、前回のAbbottWMMシリーズXIIから車いすレースに新採用された「AbbottWMM車いすボーナスポイント」です。前回は1.3㎞の区間で実施しましたが、今年は400mと距離を短くしました。37.1㎞地点からの400m区間で最速タイムを出した男女それぞれの選手がボーナスポイント(8ポイント)を獲得できます。

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 2つ目は、大会記録更新を狙った東京マラソン独自の仕掛けで、その名も「大会記録更新スプリットタイムボーナス」です。現在の大会記録(男子1時間26分00秒、女子1時間41分04秒)をもとに新記録につながるスプリットタイムを男女それぞれ算出し、この基準タイムを上回るタイムで37.5km 地点を通過した選手、上位3名に賞金を授与します。
基準タイムは現時点で男子が1時間15分00秒、女子が1時間28分00秒と設定していますが、天候条件なども考慮して、レース前日(2月29日)のテクニカルミーティングで最終的に決定します。この「37.5㎞地点」はAbbottWMM車いすボーナスポイントの400m区間終了地点でもあるので、相乗効果で新記録誕生が期待されます。

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 3つ目は、上位選手に授与される賞金額を今大会からほぼ倍増しました。優勝賞金は男女ともに100万円から200万円になるなど、賞金総額を引き上げています。選手にはぜひ記録向上とともに、積極的に上位入賞を狙ってほしいと思います。

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■車いすランナーの世界トップが勢ぞろい!

 3つの仕掛けとともに高速レースを期待して、スピードを備えた実力者たちを今回も招聘しました。海外からは男子6名、女子6名で、国内からは男女とも3名ずつです。男子は昨年大会で優勝したマルセル・フグ(スイス)、2位のダニエル・ロマンチュク(アメリカ)、3位のエルンスト・バンダイク(南アフリカ)と、5位のジョシュ・キャシディ(カナダ)。そして、東京は初出場となるAbbottWMMランキング上位者のジョンボーイ・スミス(イギリス)、同じくランキング上位のホルディ・マデラ(スペイン)の6名です。国内からは昨年大会の日本人3位以内だった洞ノ上浩太(総合4位/Yahoo!)、鈴木朋樹(同6位/トヨタ自動車)、吉田竜太(同7位/SUS)を招聘しました。
 レースはここ最近の実績から、フグ、ロマンチュク、鈴木の3名を軸に展開されるのではないかと見ています。なかでも最も勢いがあるロマンチュクは、東京マラソン初参戦だった昨年は、不慣れなコースに加え、雨と寒さにも阻まれて2位でしたが、2年目の今年は勢いある本来の走りを見せてくれることを期待しています。しかし、昨年の悪天候をものともしない強さを示した絶対王者のフグがそれを許すはずはないでしょう。鈴木も世界2トップのこの二人をずっと意識してきているので、しっかり絡んでいくと思われます。3人の競り合いで好記録にも期待したいです。
 もちろん、常連のバンダイクやキャシディも狙ってくると思いますし、スミスもマデラも国際経験は豊富なので、初の東京でどんな走りを見せてくれるか楽しみです。これだけの強豪が揃うレースは少ないので、日本の選手もいい準備をして、いい勝負をしてくれると思います。
 女子も昨年の優勝者マニュエラ・シャー(スイス)、2位のタチアナ・マクファーデン(アメリカ)、3位のスザンナ・スカロニ(同)に、メジャー優勝経験のあるアマンダ・マグロリー(同)とマディソン・デロザリオ(オーストラリア)、そして、東京初出場のクリスティ・ドーズ(同)と、世界トップクラスの走りが見られる6人が揃います。
 国内からは3名です。喜納翼(タイヤランド沖縄)は昨年大会では悪天候もあり途中棄権でしたが、11月には日本記録を更新するなど波に乗っているので、海外選手に最後まで食らいついてほしいです。中山和美(アクセンチュア)は障害が少し重いT53クラスで、トラックを主戦とする選手ですが、昨年もしっかり完走しています。もう一人は2016大会以来、4大会ぶりの出場となる土田和歌子(八千代工業)です。2017年からトライアスロンに転向しましたが、東京マラソンで過去、何度も優勝している大ベテラン。東京パラリンピックは2017年に転向したトライアスロンに加えマラソンでも出場を狙うそうなので、今大会もしっかり準備してくるでしょう。
 女子では2018年9月のベルリンマラソンから、AbbottWMMで9連勝中のシャーが最有力でしょう。しかし、他の選手が「シャーを捕まえたい」という思いで競り合ってくれるとタイムも自然と上がっていくと思います。日本選手の健闘にも期待したいです。

■フィニッシュまで目が離せない!

 このように強豪揃いなのでレース展開を予想するのは難しいのですが、特に新コースに変わった2017大会以降は終盤まで集団でレースが展開され、フィニッシュ直前のスパート合戦で勝負が決まるレースが増えています。車いすレースでは一般に、長い上り坂や下り坂、コーナーの出口などが仕掛けどころになりますが、はじめにも話したように、東京マラソンのコースにはそうしたポイントがあまり見当たらないのもそうしたレース展開の要因かもしれません。
 唯一ともいえる起伏がレース序盤の5㎞地点手前にある下り坂です。スピードが自然に上がるので、一気に逃げる選手が出てくると面白い展開になるでしょう。リードを奪われないよう、他の選手が追いかければ集団のペースも上がり、新記録誕生につながることも期待できます。
 しかし、強豪揃いのなか、大きなリードを奪うのは簡単ではないですから、互いに牽制しあい集団が崩れないままのレース展開となることも考えられます。ただ、選手としては集団の人数は少なくしたいので、スピードを上げ下げしてライバルを振り落とそうとする選手も出てくるでしょう。誰がリードし、誰が遅れるのか、駆け引きも車いすレースの見どころです。集団の大きさの変化にも注目してください。
 もう一つ、「ローテーション」という動きも車いすレースの特徴であり、見どころです。向かい風の抵抗を避けようと、選手は縦一直線に連なって走ることが多いのですが、一人の選手が先頭に長くいると、疲労してペースダウンしやすいので、適当なタイミングで他の選手が先頭を替わり、ペースを維持しようとします。これが「ローテーション」で、この動きが頻繁に見られるときは、よいペースでレースが展開されていると言えるでしょう。
 ただし、戦略上、先頭に出たがらない選手もいますので、集団が横に広がることもあります。集団の中の動き方や位置取りに注目すると、選手それぞれのレース戦略が読みとれるかもしれません。
 今大会は終盤に「AbbottWMM車いすボーナスポイント」などタイムを意識せざるを得ない「仕掛け」がありますから、積極的に速いスピードで駆け抜け、レースをより面白くしてくれる選手が出てくることを期待しています。
 「AbbottWMM車いすボーナスポイント」を抜け、最後までもつれた場合は、約1㎞続く丸の内仲通りの石畳からフィニッシュ前の直線に入る手前の左カーブでの位置取りに注目してください。ここまで誰が集団に残り、よい位置でスパートをかけるのか。あるいは、圧倒的強さで一人、フィニッシュを目指す選手がいるのか。世界トップクラスの選手たちによる車いすレースの醍醐味を、東京マラソン2020でぜひお楽しみください。

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■車いす選手のもう1つの戦い

 昨年大会はかなり強い雨と寒さで厳しいレースとなり、男女とも途中棄権の選手も出ました。常に動いているのである程度の寒さは耐えられますが、障がいの影響で体温調整が難しい選手もいます。
 気象条件に影響されるのは屋外で競うマラソンでは仕方ないのですが、車いすランナーにとって一番困るのはスタート直前に雨が降ってくることです。競技用車いす(レーサー)は、車輪についているハンドリムという部分を押して漕ぎますが、ハンドリムは一般にゴム製で、手にもゴム製のグローブを着けてその摩擦を利用します。
 でも、雨が降るとゴムは滑ってしまうので、雨の日は選手それぞれ雨仕様の準備をします。例えば、グローブに松ヤニやスキー板用のワックスを塗ったり、グローブの素材を布やバックスキンに替えたりします。最近はハンドリム自体をカーボンで造ったり、滑り止めの粉をつける選手などもいます。
 天気予報が最初から「雨」なら、雨仕様にしますが、「降るかもしれない」という予報の時は悩みます。ゴム同士が一番漕ぎやすいのですが、晴れ仕様のまま雨に降られると滑って全然漕げなくなるし、雨仕様にして降らないのも漕ぎにくいので、慎重な判断が必要です。
 突然の雨以外で、レース中のハプニングといえば、タイヤのパンクがあります。前輪はホイールを外す必要があるのでパンクしたまま走り続けるか、状態によってはリタイヤになります。後輪の場合は万一に備え、スペアタイヤを積んで走っている選手がほとんどです。タイヤは糊付けされているので、パンクしたタイヤを剥ぎ取り新しいものにつけ換えてから、持参したボンベで二酸化酸素ガスを注入します。
 東京の道路はきれいなのでトラブルは少ないですが、海外では僕もタイヤ交換の経験があります。早いと40~50秒ですが、焦って手間取ると2分ぐらいかかり、かなりのハンデになります。できるだけパンクしないことが大事ですが、丈夫なタイヤは分厚くて重くなるので、こちらも悩みどころです。
 このように、選手はスタート前からさまざまな面で戦っています。その辺りも想像しながら、東京パラリンピック前哨戦ともいえる東京マラソン2020を、ぜひ沿道で観戦し、選手に大きな声援を送っていただけると嬉しいです。

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東京マラソン車いすレースディレクター
副島正純

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