大会について

東京マラソン2024に関わるすべての方へのご案内です。

車いすマラソンエリートレース

車いすマラソンレースの様子
車いすマラソンレースの様子

車いすマラソンの国際化について

2016大会から、車いすマラソンレース(T53・T54)をWorld Para Athletics公認大会として開催。
さらに、2017大会からは、アボット・ワールドマラソンメジャーズ(AbbottWMM)車いすマラソンレースシリーズに加わり、ポイント獲得対象レースとなっています。

レース概要

1 種  目 車いすマラソン(エリート)
2 公  認 World Para Athletics
3 コ ― ス 東京マラソンコース(日本陸上競技連盟・ワールドアスレティックス /AIMS公認コース)
東京都庁~水道橋~上野広小路~神田~日本橋~浅草雷門~両国~門前仲町~銀座~田町~日比谷~東京 駅前・行幸通り
4 対象クラス T53・T54
5 制限時間 男子1時間50分、女子2時間00分
6 参加人数 30人

車いすエリートレース展望

東京マラソン車いすレースディレクター 副島 正純

 今年はパラリンピックイヤーです。8月28日に開幕するパリパラリンピックを見据える選手たちはそれぞれ戦略を練り、調整を進めています。東京マラソン2024はパリ開幕の約半年前に行われることもあり、弾みにしようという選手など大勢がエントリーしてくれました。

 招待選手については今年もアボットワールドマラソンメジャーズ(AbbottWMM)シリーズ15の上位ランク者から声をかけ、男子は海外から4名、国内から4名の計8名、女子は海外から6名、国内から2名の計8名となりました。

 男子は昨年大会で2連覇を果たした王者、マルセル・フグ(スイス)以外の、世界のトップランナーたちが顔を揃えます。ここ最近、多くの大会でフグが主導権を握り、優勝することが多かったのですが、フグ不在の東京マラソン2024は一体、誰がレースを作り、誰が最初にフィニッシュラインを駆け抜けるのか、レース展開の予想が難しい反面、面白いレースになるだろうと期待しています。

 招待選手の中で注目の一人は、AbbottWMMシリーズ15で2位に入った、ダニエル・ロマンチュク(アメリカ)です。フグと最後まで競り合うレースも多い実力者なので、大会記録更新にも期待がかかります。ただし、ロマンチュクが主導権を取るレースは少ない印象なので、フグのいない中、どんな戦略で東京を走るのかも興味深いところです。

 日本人選手では昨年11月の大分国際車いすマラソンで好走し、準優勝した鈴木朋樹(トヨタ自動車)や4位に入った吉田竜太(SUS)に注目しています。AbbottWMMのランキングでも鈴木が4位、吉田は9位にランクされています。ここに同ランキング6位の渡辺勝(TOPPAN)を含めた3人が海外勢にどう絡み、どんな展開にもっていけるのか。面白いレースを期待します。

 女子は、もしかしたら男子以上にフィニッシュラインを越えるまで勝負の行方が分からず、目が離せないレースになるのではないかと予想しています。女子は昨年、ベルリンで世界新記録が生まれ、大分国際でもコースレコードが塗り替えられるなど、タイムの伸びも顕著です。

 招待したマニュエラ・シャー(スイス)、スザンナ・スカロニ(アメリカ)、マディソン・デロザリオ(オーストラリア)、イーデン・レインボー・クーパー(イギリス)は順にAbbottWMMシリーズ15の2位から5位にランクされています。最近はいつも集団を作ってレースを進め、フィニッシュ前のスプリント勝負で順位が入れ替わるような実力拮抗の選手たちです。

 ここに、日本勢のAbbottWMM6位、喜納翼(琉球スポーツサポート)や同7位の土田和歌子(ウィルレイズ)がどんな戦略で食らいつき、上位に食い込んでいくかにも注目してください。

■記録狙いの高速レースにも期待

 東京マラソン2024はパリパラリンピック出場に向けても重要なレースであると言えます。国際パラリンピック委員会が発表している車いすマラソン種目の出場要件によれば、期間(2022年10月1日~2024年6月16日)内に参加標準タイム(男子1時間29分30秒、女子1時間43分53秒)を切り、パリパラリンピックランキングに入ることが第一歩です。

 さらに、日本パラ陸上競技連盟ではこのランキングをもとにした国内の選考人数について、「マラソン種目にのみ出場する選手は男女それぞれ最大3名まで」と方針を発表しています。最終の派遣人数は他種目との調整になるので、とにかく上記の期間内にできるだけ高タイムを出し、ランキング上位に入っておくことが重要でしょう。

 記録を伸ばすために残された期間は今後3カ月余り。その間に開催される公認レースも少ない中で、高速コースと言われる東京マラソン2024は大きなチャンスレースのはず。タイムしだいでランキングの変動も大いに考えられます。

 東京マラソン2020では鈴木が1時間21分52秒、喜納が1時間40分00秒と、男女それぞれのコースレコードを塗り替えました。その後、コロナ禍を経た2023大会で、男子のコースレコードはフグにより1時間20分57秒へ、女子はシャーによって1時間36分43秒へと更新されています。今年はどんなレースになるでしょうか。当日の天候などにもよりますが、ぜひ、果敢にチャレンジしてもらえたらと思っています。

 コースレコード更新の後押しになればと、今年も10km地点に「2つの仕掛け」を設定しました。ひとつは「AbbottWMMボーナスポイント」で、この10km地点を男女各1位で通過した選手は8ボーナスポイントを獲得できます。

 東京マラソン2024はAbbottWMMシリーズ16の初戦でもあり、今季を占う重要なレースです。ボーナスポイントはレース結果ポイントにも加算されますから、今季のシリーズ戦を有利に進める一歩になるし、今後のレース計画を調整していく上でも大きな意味を持つことでしょう。レース序盤からの積極的な走りに期待します。

 コースレコード更新のもうひとつの仕掛けである、「東京マラソン独自のスプリントタイムボーナス」も、同じ10㎞地点に設定しました。こちらは男女それぞれの世界記録をベースにして設定した10kmの目標タイムを上回った選手を対象に男女各3位までに賞金を授与します。1位は15万円、2位は10万円、3位は5万円です。

 目標タイムですが、男子は18分09秒、女子は21分48秒です。設定タイムは世界記録相当なので高い目標ですが、東京のコースは序盤5㎞までは下り基調ですから積極的に攻めて、「AbbottWMMボーナスポイント」とともに狙っていってほしいと思っています。

■観戦時の見どころポイントは?

 車いすレースは高速で展開するため、沿道で観戦していると、あっという間に通りすぎてしまうかもしれませんが、おすすめの観戦ポイントがいくつかありますので、ご参考ください。

 まずはスタートです。号砲からの一瞬の加速で、誰が前に出てレースの主導権を握るのかに注目してください。さらに、新宿を抜けた後の長い下り坂は自然とペースが上がるので、車いすレースならではのスピード感や迫力を感じてもらえるポイントです。その後に控える10㎞地点も前述の「ボーナスポイント」設定地点なので、おそらく少し手前で集団が崩れ、激しいトップ争いが見られるのではないでしょうか。

 比較的フラットな中盤は選手によっては孤独を感じることもあるパートです。応援の声や拍手が大きな力になります。そして、やはりフィニッシュ地点の直前は一番盛り上がってほしいところです。観客の皆さんにも最後までワクワクしていただけるように、選手たちには積極的にタイムを狙って最後まで競り合うようなレースを展開してほしいなと思っています。

 レースの楽しみ方としてはもう一つ、誰か注目する選手を決めてレース展開を想像しながらの観戦もおすすめです。例えば、男子ならロマンチュクに注目し、どこで仕掛けて一人で逃げるのか。女子はシャーとスカロニが軸になって集団が形成されることが多いので、集団からいつ誰が抜けだすだろうかなど、レース中の選手の動きを見ながら予測してみてください。

 このように、パラリンピックイヤーの東京マラソン2024は見どころ盛りだくさんです。ぜひ、世界トップクラスの車いすマラソンをお楽しみください。

全招待選手情報:  男子(8名) 女子(8名)  ※2024年1月30日現在
車いすエリート選手一覧はこちら ※2024年1月30日現在

副島 正純(そえじま まさずみ) 車いすレースディレクター

副島正純の写真

パラリンピック銅メダリスト

【所属先】
一般社団法人ウィルチェアアスリートクラブ ソシオSOEJIMA
マラソン自己最速記録:1時間18分50秒(2011ボストンマラソン)
2004年より4大会連続パラリンピック出場

【略歴】
1970年生まれ。
23歳の時、家業である鉄工所を手伝い中に鉄板落下の事故により脊髄を損傷し、車いすの生活となる。入院中に障がい者スポーツと出会い、スポーツの楽しさに魅了され、車いすマラソンを開始。
2007年からは毎年ワールドマラソンメジャーズ大会に出場し、東京マラソン、ボストンマラソン、ニューヨークシティマラソン、ベルリンマラソンなどの多くのマラソン大会で優勝している。
2014年4月、自身も世界トップアスリートとして活動しながら、一般社団法人を立ち上げ、車いすの子ども達が世界レベルの競技者を目指せるような環境の提供と指導を行い、子ども達のチャレンジをサポートしている。

【主な戦歴】
2007~2009、2011、2013 東京マラソン優勝
2004 アテネパラリンピック 400m×4リレー 銅メダル
2007 世界陸上選手権大阪大会 車いす1500m 銀メダル
2012 ロンドンパラリンピック マラソン4位(日本人最高位)
2011 ニューヨークシティマラソン優勝
2007、2011 ボストンマラソン優勝
2007、2010 ベルリンマラソン優勝
2005~2010、2013~2017 ホノルルマラソン優勝
2008~2010 シカゴマラソン2位

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