ランナー

東京マラソン2017のエントリー情報をはじめ、東京マラソンへの参加をご希望される皆さまへのご案内です。

救命救急情報

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担当:喜熨斗智也(救急救命士)

第1回 マラソンランナーと突然死の関係

日本のマラソンブーム

日本では2007年に初めて東京マラソンが開催されて以降、ランニング人口は増え続け、ここ数年500万人以上(日本の人口の約4.3%)の方が週に1回はランニングを楽しんでいます(図1)。また、ある調査では、2014年に日本で開催されたマラソン大会の数は1,889大会と、前年に比べて約300大会増加しているとの報告があり、日本では10年以上もマラソンブームが続いていると言えます。

図1:日本のランニング人口の年次推移(参考 笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(1998~2014))

ランニングと突然死の関係

特別な道具が必要ではなく、誰でも気軽に始めることができるマラソンですが、一方で危険な面もあります。実は突然死が最も多いスポーツがランニングなのです(表1)。


表1:スポーツ中の突然死(参考 村山正博ら:運動事故の発生要因および運動し同報に関する研究報告所,1992年)

順位 0-39歳 40-59歳 60歳- 全体
1
0-39歳
ランニング
40-59歳
ゴルフ
60歳
ゲートボール
全体
ランニング
2
0-39歳
水泳
40-59歳
ランニング
60歳
ゴルフ
全体
ゴルフ
3
0-39歳
サッカー
40-59歳
水泳
60歳
ランニング
全体
水泳

東京マラソンとアメリカのランニングと突然死のデータ比較

アメリカでは、マラソン中の心肺停止は10万人あたり0.54人、つまり約18万5千人に1人の割合で発生し、そのうち71%の人がそのまま亡くなっているという報告があります1)。
一方、東京マラソンは過去10回(2007年〜2016年)開催され、約35万人のランナーが参加し、そのうち7名のランナーが走っている最中に突然倒れ、一時は心肺停止に陥ってしまいました(表2)。


表2:東京マラソンの参加ランナーと心停止になったランナー数

開催回 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回
開催年
第1回
2007年
第2回
2008年
第3回
2009年
第4回
2010年
第5回
2011年
第6回
2012年
第7回
2013年
第8回
2014年
第9回
2015年
第10回
2016年
参加ランナー数(人)
第1回
30,870
第2回
32,426
第3回
34,971
第4回
35,028
第5回
36,449
第6回
36,407
第7回
36,676
第8回
36,030
第9回
35,797
第10回
36,647
心停止になったランナー数
第1回
2名
第2回
0名
第3回
2名
第4回
0名
第5回
0名
第6回
1名
第7回
2名
第8回
0名
第9回
0名
第10回
0名
開催回
第1回
開催年
2007年
参加ランナー数(人)
30,870
心停止になったランナー数
2名
第2回
開催年
2008年
参加ランナー数(人)
32,426
心停止になったランナー数
0名
第3回
開催年
2009年
参加ランナー数(人)
34,971
心停止になったランナー数
2名
第4回
開催年
2010年
参加ランナー数(人)
35,028
心停止になったランナー数
0名
第5回
開催年
2011年
参加ランナー数(人)
36,449
心停止になったランナー数
0名
第6回
開催年
2012年
参加ランナー数(人)
36,407
心停止になったランナー数
1名
第7回
開催年
2013年
参加ランナー数(人)
36,676
心停止になったランナー数
2名
第8回
開催年
2014年
参加ランナー数(人)
36,030
心停止になったランナー数
0名
第9回
開催年
2015年
参加ランナー数(人)
35,797
心停止になったランナー数
0名
第10回
開催年
2016年
参加ランナー数(人)
36,647
心停止になったランナー数
0名

東京マラソンだけをみますと、約5万人に1人、10万人あたり1.99人の割合です(表3)。この数字は決して少なくなく、アメリカと比較すると、マラソン中にランナーが心肺停止になる割合は東京マラソンの方が3.7倍高いと言えます。

表3:東京マラソンとアメリカ国内のマラソン大会でみたランナーの心肺停止発生数、救命率の比較

  東京マラソン アメリカ  
対象となったランナー
東京マラソン
35万1,301人
アメリカ
1,090万人
 
心肺停止になったランナーの数
東京マラソン
7人
アメリカ
59人
 
10万人あたりの心肺停止発生数(人)
東京マラソン
1.99
アメリカ
0.54
※東京マラソンの方が約3.7倍高い。
救命率
東京マラソン
100%
アメリカ
39%
※東京マラソンでは全員が救命されている。

心肺停止になったランナーを救命するために

アメリカのデータでは心肺停止になったランナーの多くが亡くなっていますが、東京マラソンは違います。周りを走っていたランナー、大会をサポートしていたボランティアや救護スタッフの救命活動によって、100%救命されています。一時的に心肺停止になってしまった場合でも、迅速に適切な救命処置が行われれば、救命できるチャンスは十分にあります。

救急救命情報のページでは、心肺蘇生法やAEDを含めた救命手当の方法についてお伝えしていきます。ぜひ、毎回お読み頂き、もしマラソン中に周りを走っているランナーが突然倒れたときには勇気を持って救命活動へのご協力をお願いします。

1)Kim JH, Malhotra R, Chiampas G, d' et al : Cardiac arrest during long-distance running races.N Engl J Med. 2012;366;130-40.

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